着物業界の移り変わり。

当店は創業から今年で73年目になります。店舗前の県道拡張のための移転があり、現在の店舗がオープンして35年。時代の流れと共に、着物業界もずいぶん変わりました。

昔から呉服屋と言えば「敷居が高くて入りずらい」「無理やり買わされそう」などネガティブなイメージをお持ちの方が多いと思います。

確かに当時の業界は、ホテルのパーティーホールやレンタルフロアーにフォーマル着物「振袖、留袖、訪問着、附下げ、袋帯」など、これでもかと高額商品を敷き詰めた大型展示会がバブル期から販売パターンの主流でした。この売ってなんぼのバブリースタイルが着物離れを起こした一因とも思われます。

会場に足を踏み入れた途端、業界ではマネキンと呼ばれる派遣の売り子さんに速攻囲まれ、ゆっくり商品を見る余裕も与えずに次から次へと高額な反物や帯を広げられ、いいも悪いもなく鏡の前で体に絹の布を巻き付けられる、という恐怖体験をされた方も多いのではないかと思います。

このような販売方法で一番の悲劇は、買うつもりはなかったけど断りきれない、優しい気持ちを持った着物好きのお客様が、予定外の長期クレジットローンを組まされてしまった事です。一時社会問題にもなりました。

消費者ニーズから外れたある意味強引な物売りは、とにかく並べれば物が売れたいい時代を知っているからこそ軌道修正は難しく、早まる時代の変化にも的確な対応が間に合わず衰退の一途を辿る結果になりました。この時期一斉に問屋、小売店、メーカーまでもが廃業倒産と淘汰された、バブルが弾けた時期と重なります。

現在はEC中心の

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